今後も増える認知症患者さんへ
「安楽な医療」を提供したい
私は看護師になって10年ほどになります。宇都宮市内の看護専門学校を卒業し、当院へ新人として入職しました。現在は6階外科病棟で勤務しており、消化器外科・泌尿器外科・呼吸器外科などで手術を受ける患者さんの看護を行っています。
卒後すぐの就職先として当院を選んだ理由
看護師という道を選択した理由は、私の家族にも看護師がおり、小さな頃から身近な存在だったことです。
学生時代に就職先を探しながら、看護師として生きていく上で大事なことは何かと考えた時、「小さな異常に気付ける観察力を身に着けたい」と思いました。患者さんにとって不安の無い安楽な医療を提供したいというのが自分の目指す看護師像であり、そのためには救急搬送を多く受け入れる病院で、多くの疾患、さまざまな病態を学びたいと考え、当院への入職を決めました。
認知症看護の奥深さ
当院の入院患者さんにもその傾向はありますが、やはりどこの病院でも高齢患者さんは増えています。今後も高齢患者さんの割合は高くなっていくでしょう。こうした背景から認知症看護に興味を持ち、昨年度(令和5年度)に認知症認定看護師の実務研修を受けてきました。
認知症の方は顕著な記憶障害があり、現状を把握できないという特徴があります。環境の急な変化についていけず、点滴を抜く、大声を出す、安静を保てないなどの行動が見られます。6階病棟に入院される認知症をもつ患者さんも、他の患者さんと同様に手術前日に入院されるため、安心できる環境づくりが重要です。コミュニケーションの取り方がポイントで、短い時間の中でも分かりやすく何度でも説明する必要があることを学びました。
認知症患者さんが安楽な医療を受けられるために
実務研修を受ける前と後では、認知症患者さんとの関わり方が変わったと実感しています。患者さんをよく観察し、時には伝えたいことを紙に書いて見せるなど、工夫一つでコミュニケーションの深さが変わることが分かりました。現在はこうした認知症患者さんとの関わり方のヒントをスタッフと共有し、相談を受けるなどの業務も行っています。
認知症看護は答えの無い分野です。アセスメントもチームで考えながら実践しています。
今後は、当院や宇都宮市内だけではなく、栃木県内の認知症患者さんへの対応や医療の質を向上させるような仕事をしたいと考えています。